第153章 夫婦!!

森川北翔は同じスタイルのスーツに着替え、階段をゆっくりと降りてきた時、強烈な圧迫感が宴会場全体を襲った。

  彼は重々しい視線を向け、階段を降りた後まず幕を見て、それから周囲を見回した。

  すぐに栗原愛南の姿を捕らえ、大股で彼女の方へ歩み寄った。

  しかし思いがけず広石若菜に遮られてしまった。

  彼女は直接森川北翔の前に駆け寄り、彼の足にしがみついた。「森川さん、私は愛南の母親です。あなたは私たちの愛南と寝たのですから、きっと彼女に説明をしなければいけません。このまま何事もなかったようにはできません!」

  森川北翔は眉間にしわを寄せ、彼女を蹴飛ばそうとしたが、この人が栗原愛南の母親であることを考えると、結局足を留めた。ただ彼女を振り払い、その後すぐに紀田亮を見た!

  紀田亮は手を振ると、すぐに二人の黒服の警備員が駆けつけ、広石若菜を止めた。

  広石若菜は地面に座り込み、太ももを叩きながら泣き叫んだ。「見てください!人殺しが起こりそうです!森川さんは私の娘と寝て、責任を取ろうとしません……」

  次の瞬間、雑巾が紀田亮によって彼女の口に無理矢理詰め込まれた!

  広石若菜はすぐに声が出せなくなり、「ウーウー」と唸るだけだった。

  紀田亮は耳をほじった。「やっと静かになったな。お前の泣き叫ぶ声はほんとうるさいぞ!」

  この一連の動作は息つく間もなく行われ、会場で最もうるさかった人物を直接解決した。

  しかし森川北翔はまた森川辰に遮られた。「叔父さん、これだけの幹部がここにいるのに、幕に写っていることについて、説明をすべきではないですか?」

  森川北翔は鋭い目つきで彼を見た。

  森川辰は怖くなってゴクリと唾を飲み込み、もう何も言えなくなった。

  森川辰の父親である森川元碩が口を開いた。「北翔、お前は今や森川グループの権力者だ。率先垂範しなければならないのに、どうしてこんな愚かな行為をしたんだ?しかも証拠まで掴まれて……」

  彼はため息をついた。「今日は現場に多くの記者も来ている。みんな祖母のこの誕生日パーティーの盛況を報道したがっているんだ。お前が私たちの口を封じることはできても、彼らの口は封じられない。だから今、私たちには実行可能な方策が必要なんだ!」