第180章 強引!

栗原井池は手に持った写真を見た。

  はっきりと見えそうになったとき、目の前でさっと動きがあり、森川北翔が彼の手から写真を奪い取り、栗原愛南を追って部屋を出て行った。

  栗原井池:?

  男の遠ざかる背中を見て、彼は一瞬呆然としたが、その後思わず口をとがらせた。「なんだよ?助けを求めておきながら、こんなに横柄なんて!ふん、俺様は余計なことに首を突っ込まないぞ!」

  そう言った後で、また静かにため息をついた。

  当時、海外留学中に、彼は森川北翔の並外れた才能に気づいていた。

  森川北翔という人物は知能が非常に高く、何を学んでも一瞬で理解してしまうようだった。栗原井池が叔父に話したところ、叔父は森川北翔のような賢い人物ともっと接触し、学ぶようにと言った。

  まるで森川北翔の方が自分より優秀であるかのようだった。

  栗原井池は心の中でずっと納得していなかった。後に海外での留学を終えるとき、叔父はまた彼に、もし森川北翔と親友や親密な仲間になれないなら、縁談を考えるべきだと言った。

  残念ながら、家では叔父が権力を握っているが、大伯父の家も彼らの家も、男ばかりで、本家の女の子はいなかった。

  そこで、栗原井池と叔父は傍系の中から探し、容姿も能力も悪くない女の子を二人見つけ、大伯父の名義で養子に迎え、森川北翔に気に入ったものを選ばせようとした。

  しかし、栗原井池がこの提案をしたとき、森川北翔はなんと即座に拒否したのだ!!

  このくそ野郎、京都の栗原家を全く眼中に入れていないのか?

  栗原井池は不満げに麺を二、三口食べたところで、携帯が振動した。

  手に取ってちらりと見ると、叔父からのLINEだった:【今夜、栗原奥様を訪問する。彼女の状態はどうだ?】

  栗原井池:「……」

  彼は、栗原奥様が自分の前で怒りで気を失ったなんて言えるわけがない。さもなければ、叔父に無能呼ばわりされるのは間違いない!

  栗原井池は先ほどの森川北翔と栗原愛南が去った方向を思い出し、思わず箸を置き、病院の中へ歩いて行った。

  ……

  栗原愛南の表情は普段の冷たさを取り戻し、思考も徐々に冷静になっていった。

  彼女が足早に病院に入ると、森川北翔の側近の4人の黒服のボディーガードがすでに入り口に立っていた。