第231章 責任感が強い

栗原愛南と森川北翔はすぐに揃って彼女の方を見た。

  栗原愛南が尋ねた。「ご存知なんですか?」

  森川北翔も口を開いた。「おばあ様、一体どういうことなんですか?」

  森川おばあ様は二人を見て、そして外を見て、何やら謎めいた様子だった。

  そして声を落として言った。「孫の嫁は二重人格なのかしら?でも普段はその副人格が出てこないのよ。主人格が副人格を抑え込んでいるから、後になるとこのことを忘れてしまうのよ!」

  栗原愛南「……」

  森川北翔「……」

  森川おばあ様は独り言のように言った。「私は小説やドラマをたくさん見てきたわ。主人公の多くがこの病気を持っているのよ。ある小説では、主人公の男性が多重人格だったわ!ヒロインは一人の人と結婚したのに、まるで何人もの人と結婚したようで、現実版の一妻多夫よ。本当に刺激的だわ!」

  栗原愛南「……」

  森川北翔は口角を引きつらせた。「おばあ様、よだれが出そうですよ……」

  森川おばあ様はすぐに口元を拭き、何かに気づいたように森川北翔を睨みつけ、そして栗原愛南の方を向いた。「孫の嫁、あなた解離性同一性障害なの?」

  栗原愛南は額をさすった。「実はそうではありません。」

  彼女は毎年健康診断を受けていた。そして幼少期の生活環境があまりにも抑圧的だったこと、かつて広石若菜に洗脳されたこともあり、栗原愛南は自分の心の健康に非常に気を使っていた。

  森川おばあ様は困惑した。「じゃあ、一体どういう状況なの?」

  栗原愛南は首を振って分からないという様子だった。

  森川北翔は言った。「どんな状況であっても、今や愛南は私の妻です。考えるのはやめましょう。来るものは拒まず、去るものは追わずです!」

  栗原愛南は何か言おうとしたが、森川おばあ様があくびをして疲れた表情を見せたので、彼女が疲れ切っていることに気づき、すぐに話題を変えた。「そうですね、真相がどうであれ、それほど重要ではありません。おばあ様、早めにお休みになってください。」

  森川おばあ様はうなずいて、彼らを見た。「とにかく私は気にしないわ。あなたたちは今や合法的な夫婦なんだから、必ず仲良く暮らしてね!」

  栗原愛南はうなずいた。