第279章 離婚への第一歩！

葉敏はすぐに眉をひそめて彼女を見た。

　　栗原愛南は唇を引き締め、できるだけ優しい目つきで見るようにした。

　　葉敏は彼女の顔を見回し、突然立ち上がって彼女の前に歩み寄り、彼女の額に触れた。

　　栗原愛南：「……」

　　「熱もないのに、なんでずっと訳の分からないことを言ってるの！あんたは当時どうしても誰なのか教えてくれなかったじゃない。私の安全に影響するって言ってたのに、どうして今になって聞くの？」

　　栗原愛南は初めて南條の慎重さを感じた。

　　少なくともこの件に関しては、彼女は間違いを犯していなかった。

　　栗原愛南は「ああ」と一言言って、表情を変えずに言った：「何か手がかりを見つけたんじゃないかと心配だったの。でも何も知らないみたいね、それならいいわ」

　　葉敏は案の定話題をそらされた：「愛南、あんたは本当に慎重すぎるわ。あんたが言ってたでしょ？あんたは彼らの最初の任務さえ完遂できなかったから、もう彼らがあんたを探しに来ることはないって」

　　この言葉に栗原愛南は一瞬驚いた：「最初の任務？」

　　「そうよ、あんたが言ってたじゃない。最初の任務があんたにとって大切な人に関係していたから、断ったって……」

　　大切な人……

　　栗原愛南は眉をひそめた：「私にとって大切な人……誰？」

　　葉敏はすぐに目をぐるりと回した：「誰かって、張本朔でしょ！あの時あんたは彼と付き合ってたじゃない」

　　そして嫉妬心たっぷりに口を開いた：「とにかく私じゃないってことよ」

　　彼女はそう言うと、思わず不満を漏らした：「私はあんたを一番の親友だと思ってるのに、幼稚園の頃から同じ学校で、こんなに長い付き合いなのに、結局私はあんたの心の中で雪音にも及ばないし、おばさんや張本朔にも及ばないなんて。彼らのために、あんたは私さえも捨てちゃって……まあいいわ、言い出したらキリがないわ！」

　　彼女は本当に不満だった！

　　葉敏は口をとがらせた。

　　栗原愛南も人をなだめるのは得意ではなかったので、何も言わなかった。そのとき、入り口でドアを開ける音がし、続いて張本朔のお母さんが入ってきた。

　　彼女は広場ダンスの曲を口ずさみながら、入ってくるとリビングを見もせずに、そのままキッチンの方へ向かった：「愛南、今日は何を食べるの？運動の後だから、お腹すいたわ！」