第376話

栗原刚弘は自分がかなり譲歩したと思っていたので、愛南がここで空気を読んで協力してくれるはずだと考えていた。

しかし、栗原愛南は相変わらず彼をじっと見つめながら言った。「私が彼を連れ出して叱ったのは、クラスメートの絵を破り捨て、教室で暴言を吐いたからです。別室で注意するのは、教師としての責任と義務です!子供を学校に送り込むのは、教師に教育を任せるためではないのですか?」

栗原愛南は栗原由奈の方を向いて続けた。「親が子供をきちんと教育できていないから、学校で横暴な振る舞いをする。だから教師として、しっかりと指導しなければならないのです!」

栗原刚弘は怒りで顔が青ざめた。

生田ちゃんがどんな子供か、彼にもわかっていた。やんちゃで、手に負えない子供だ。でも栗原由奈が栗原家の娘である以上、仕方がない。