第412章

栗原井池は彼女の言葉を聞いて、苦笑いを浮かべた。

彼には理解できなかった。なぜ紀田杏結は羊水検査にこだわるのか。

すでに三回検査を受けて、すべて無精子症だと判明している。子供はできるはずがない……

栗原愛南が帰ろうとすると、栗原叔父さんは七人の兄たちに彼女と紀田杏結を車まで送るように言った。

駐車場への道すがら。

栗原光彦は我慢できずに近づいてきた。「妹、張本朔と彼のお母さんの末路を知りたくない?」

栗原愛南は思わず彼を横目で見た。

彼は栗原家の七男で、最年少の男の子だ。

彼は以前から妹と呼んでいたが、栗原愛南は訂正しなかった。でも今は……

栗原愛南は咳払いをして「あなた、おいくつ?」

栗原光彦「妹、もうすぐ21歳の誕生日なんだ。東京大学に通ってるよ〜」

東京大学は国内ランキング1位の大学で、京都にある。