第466話

門番は木村雅の腕を支え、中を指差しながら言った。「どうぞお入りください!」

木村雅:!!

彼は困惑した様子で木村知念を見つめ、そして再び門番の方を振り返って「え?」と言った。

門番は笑顔で、春の陽気のように「どうぞお入りください。人事部までの道はご存知ですか?ちょっと待ってください、門を施錠してからご案内します!」

あのメッセージの返信を、木村雅と木村知念は理解できなかったが、彼には分かったのだ!

ノラ研究員だ!

ノラ研究員は常に研究所の伝説的存在で、みんなが研究していることは全てノラ研究員が遠隔操作していたのだ。

ノラ研究員は一度も姿を見せたことがないが、会社を完璧に管理し、技術的な問題が発生すれば、ノラ研究員に任せれば、必ず素晴らしい回答が得られるのだ!

門番はノラ研究員に会ったことはないが、院長のところで彼女のメッセージの返信を見たことがある!

だから一目で分かったのだ。木村知念に通知を送った人物が、まさかノラ研究員本人だったとは。

門番は木村知念と木村雅を研究所へ案内する途中、彼女を注意深く観察せずにはいられず、心の中で呟いていた。「この人は一体どんな経歴の持ち主なんだ!ノラ研究員が直接メッセージを送るなんて!」

門の外から少し離れたところで。

二人を尾行していた人物は呆然としていた。

電話の向こうで、木村旭がまだ得意げに尋ねていた。「どうだ?追い返されただろう?」

「あ、あの、彼らは...」尾行していた人物は言葉を詰まらせながら言った。「彼らは熱烈に...迎え入れられました。」

木村旭:??

木村旭は思わず口を開いた。「何だって?」

尾行していた人物は続けた。「本当です。彼らは熱烈に迎え入れられました。」

木村旭:「お前、目が見えてないんじゃないのか!ノラ研究所は、全ての医薬工学関係者の憧れの場所だぞ。木村知念のような在学中の学生が入れるわけがない!」

...

木村知念もこの問題について考えていた。

彼女は静かに周囲の環境を観察していた。

この研究院は京都の一等地にあり、平屋建ての建物が広がっており、研究院の経済力を物語っていた。

ここは古風な建築様式で統一されていた。

亭や楼閣、假山や流水。

小さな公園まであり、ここで働くのは仕事という感覚ではなく、むしろ贅沢な時間を過ごしているような感覚だった。