第480話

数人が背筋を伸ばし、手術室の入り口を食い入るように見つめていた。

最初に出てきたのは院長だった。

額の冷や汗を拭いながら、紙のように青ざめた顔で出てきた姿を見て、三人の心臓が高鳴った。

木村旭は院長の前に駆け寄り、「院長先生、妹はどうなりましたか！」

院長は口ごもりながら話し始めた。「私たちは全力を尽くしましたが、出血を止めることができず...」

その一言で、木村旭はその場で凍りついた。

木村奥様も後ろによろめき、壁に寄りかかってようやく体を支えた。

木村雅さえも、死んだような暗い表情を浮かべた。

そのとき、栗原愛南も出てきた。

帽子とマスクを外し、きつく結んでいた髪をさらりと整えた彼女は、出てきた途端に木村旭に詰め寄られた。「お前が妹を殺したんだろう！」

栗原愛南：？

栗原愛南が言葉を発する前に、院長が慌てて口を開いた。「木村さん、違います。最後まで話を聞いてください...」

「もう何を言う必要がある！絶対にこいつだ！」

木村旭はほとんど狂乱状態だった。

院長は急いで彼を落ち着かせようとした。「木村さんは今、もう命の危険は脱しました！」

その言葉に木村旭は再び固まった。「何ですって？」

院長は気まずそうに説明した。「私たちは全力を尽くしましたが、出血点が見つからなかったんです。しかし栗原お嬢様が引き継いでからすぐに場所を特定し、見事な縫合を行いました。今は出血も止まっています！木村さんの命が助かったのは、全て栗原お嬢様のおかげです！」

栗原愛南は淡々と言った。「大したことではありません。私も医術についてはよく分かりません。皆さんの指導が良かったのです。」

院長：「...」

彼らは理論的知識は豊富だが、あれほど高度な手術を、あんなに安定してできる人は誰一人いなかったのだ！

外科手術の理論なんて、誰でも知っているものだ！

しかしその言葉は口に出さず、ただ体を横によけた。

木村知念は手術用ベッドに横たわったまま運び出されてきた...

院長が説明を始めた。「木村さんは上階から転落し、全身の骨が数本折れています。下腿骨や上腕骨、肋骨も...内臓からの出血は止まりましたが、幸い脳出血はありませんでした。現在はICUでの管理が必要です。」

木村奥様は急いで尋ねた。「いつ頃目が覚めるでしょうか？」