第536章 狐が尻尾を出した!

八木珊夏を上から下まで見つめた栗原光雄は、何か言おうとした瞬間、八木珊夏は目に涙を浮かべた。「栗原お兄さん、私のことを疑っているの?私たち二年も一緒にいたのに、私を信じてくれないの?あの時、私はあなたの命を救って、自分の命さえ危険にさらしたのに、私を信じてくれないの?」

彼女は悔しそうに目を赤くした。

栗原光雄はすぐに態度を軟化させた。「そんなことない、そんな顔しないで...」

八木珊夏は体を横に向けた。「私を信じてくれないなら、結婚なんてやめましょう!」

八木珊夏はそう言い残すと、落胆した様子で外へ向かって歩き出した。

栗原光雄は焦った表情を浮かべ、振り返って紀田杏結と栗原井池が消防士に連れられて出てくるのを見た。二人に大きな怪我がないことを確認すると、すぐに八木珊夏を追いかけて走り出した。