藤原部長は特務機関の副社長で、川内お爺様の側に多くの忠実な部下がいるとはいえ、藤原部長の特務機関での貢献は疑う余地がないものだった。
そのため彼の言葉が出るや否や、その場にいた全員が、川内美玲も含めて直ちに姿勢を正し、「はい!」と声を上げた。
その力強い声が響き渡ると同時に、先ほどまで二手に分かれていた両サイドの人々は、一斉に振り向いて、怒りの眼差しを国際部から来た人々に向けた。
彼らの争いを見ていた国際部:??
ここに人を引き取りに来た責任者は、すでに狐に買収されており、今日人を連れて行けば、すぐに南條真美を狐の前に連れて行くはずだった。
狐はすでに約束していた。特務機関は内紛を起こすから、山を隔てて虎の争いを見ているだけでいいと。
しかし面白い展開を見ているところで、なぜ両サイドの人々はこうも簡単に和解してしまったのか?
責任者にはどうしても理解できず、しばらく反応できなかった。
まず藤原部長が彼の前に歩み寄り、直接口を開いた:「申し訳ありませんが、この容疑者は引き渡せません。我々特務機関にはまだ未解決の事件があります。」
国際部の責任者はすぐに言い返した:「全ての事件を一括して我々が処理することになっていたはずでは?」
藤原部長は即座に答えた:「我々の事件は含まれていません。」
責任者は怒った:「含まれていないと言えば含まれないと思っているのか?彼女は国際犯罪者だ。お前たちのような小さな特務機関に、我々の捜査を妨害する資格はない!直ちに容疑者を引き渡せ!」
藤原部長は手を広げた:「申し訳ありません。我々にはとても重要な事件があり、今は人を引き渡すことはできません。異議があるなら、我々の上級機関と相談してください!」
責任者:!!
彼は藤原部長を睨みつけ、しばらくしてから口を開いた:「そこまで非協力的なら、いっそ昔のやり方でやろうじゃないか。」
この言葉を聞いて、栗原愛南は眉を上げた。
傍らにいた特務機関の新入職員が、古参職員に尋ねた:「昔のやり方って何ですか?」
「我々特務機関は他の部門とは違って、仕事のやり方が少し裏社会的なところがあってね、つまり…」
この古参職員は頭を掻きながら、言葉を整理した:「両者が争う人や物がある場合は、武術試合で決めるんだ。」
「何ですって?」