森川おばあ様はもちろんまだ頭がぼけていなかったので、直接拒否した。「だめよ」
数人は即座に驚いて彼女を見つめた。
森川光佑は我慢できずに口を開いた。「お母さん、以前は辰が結婚したら株を渡すって言ってたじゃないですか?今になって約束を破るんですか?」
森川おばあ様は直接言った。「私の持っている株は、誰に渡すかは私の自由よ。年を取ったからって、そんな権利まで奪うつもりなの?」
森川光佑は即座に眉をひそめた。「お母さん、あまりに偏り過ぎてはいけませんよ。北翔一人で、会社の株式の半分近くを占めているじゃないですか!私と本家だって、あなたの家族なんですよ!」
森川おばあ様は鼻を鳴らした。「森川家は私が創業したのよ。前も言ったけど、私の株は私が好きな人に渡すわ」
森川光佑がまだ何か言おうとすると、森川元碩は我慢できずに泣き出した。「おばあ様、私のことが嫌いなのは母のせいだってわかってます。でも母はもう亡くなったのに、まだその件で私を責めるんですか?どう考えても、私はあなたの長孫なんです!こんな扱いをされるなんて、私に死ねと言っているようなものです!」
彼は涙を拭いながら続けた。「ご存じないでしょうが、森川グループが京都に移転してから、みんな私を見下すようになりました。それも全部、会社が北翔の管理下に入って、名目上の長兄である私の意見が全く通らないからです!私は北翔と争うつもりはありません。ただ、長老としてあまりに偏り過ぎてはいけないと思うんです!」
彼は直接切り出した。「忘れないでください。あの時、あなたが倒れた時、最初に発見して病院に運んだのは私です。突然の心筋梗塞で、医者も早期発見で良かったと言っていました。ステント手術ができて、もし遅れていたら命が危なかったはずです。おばあ様、私たちの今までの祖孫の情は、全て嘘だったんですか?」
森川おばあ様は言葉に詰まった。
彼女は森川元碩を見つめた。
確かにそういうことがあった……
森川元碩は十四歳で引き取られるまで外で育ち、森川家に入ってからは常に戦々恐々として、周りの人々の機嫌を取ろうと必死だった。
おばあ様である彼女に対しても、一生懸命に取り入ろうとしていた。