森川元碩は眉をひそめた。「そうなのか?」
「はい、そうです」
「よし、母子で外で苦労を味わわせてやろう。そうすれば、私に頭を下げに来るはずだ!」
森川元碩は冷たく鼻を鳴らし、振り向いて森川辰と藤原美里を見ることもなく、彼らが戻ってきて自分の前に跪いて許しを乞うのを待つことにした!
……
栗原愛南はこの一部始終を見て、森川麻理亜の手腕は本当に高いと感じた。森川元碩をここまで惑わせるとは。
とはいえ、森川元碩自身がクズ男だからこそ、惑わされたのだろう。
栗原愛南は森川辰のことをある程度理解していた。
彼は有能な人物で、大学時代に学生会に入り、学生会長にまでなった。ただ、これまでの人生を両親に支配されていただけだ。
今、目覚めた以上、これからの人生は悪くないはずだ。
そのとき、森川麻理亜が口を開いた。「でも、辰弟は名門校を卒業して、能力も高いわ。もし本当に仕事を見つけたら、しばらくは謝りに戻ってこないかもしれないわね」