しかし昨日、森川辰は分かったのだ。ひいおばあ様の心の中に自分がいることを。
母は子を慈しみ、子は親に孝行する。子が孝行してこそ、母も慈しむことができるのだ!
森川元碩はいつもひいおばあ様が自分を好きではないと不平を言っていたが、彼が家に戻ってきた時には既に14歳で、ひいおばあ様に対する目的も純粋ではなかった。ひいおばあ様がどうして好きになれただろうか?
立場を変えて考えてみれば、誰かが利益のために近づいてくるとき、あなたはその人と一緒にいたいと思うだろうか?
森川辰の目が赤くなった。
森川おばあ様は笑みを浮かべながら彼を見つめた。「起業するって聞いたから、それらを用意したのよ。外でも自分をしっかり大切にするのよ!」
お年寄りの皺だらけの手が森川辰の手の甲を優しく叩いた。