第725章

森川おばあ様は少し驚いて、振り向いた。

森川北翔が森川元碩の前に駆け寄り、一蹴りで彼を吹き飛ばしたのが見えた!

森川おばあ様はようやく呼吸ができるようになったが、もう手遅れだと分かっていた。

この体はもう限界だった。先ほど、自分の命が尽きかけていることを感じ、それで急いで森川元碩を二階に連れてきたのだ。

今、森川北翔に支えられながら、森川おばあ様は微笑んで、横を指差した。「あそこに監視カメラがあるわ。北翔、森川元碩が私を絞め殺そうとしたことは、疑う余地がないわ。私の仇を取ってちょうだい!」

森川北翔は目を真っ赤にしておばあ様を見つめた。

自分は間違っていた!

大きな間違いを犯していた!!

おばあ様が自分に優しくしてくれたのは、本家に申し訳ないと思っていたからだと思い込んでいた。だから本家と親しくなろうとしたのだと。でも違った。おばあ様は死の間際まで、自分のために本家を一掃しようとしていたのだ!