海輝に発言させたの?

「でも冬島翼に会いに行く前に、あなたがまずやらなければならないことは…」

「後で、中村さんに警察署に同行してもらって被害届を出し、弁護士に依頼して声明を出してもらいます」天野奈々は墨野宙の意図を理解した。「天野奈々が枕営業をした」という4文字がますます悪化する状況下で、抑止力として機能するのは警察しかない。

「あなたの立場をしっかり固めないといけない。そして、一歩一歩あなたの潔白を証明していく。恐れないで…」墨野宙は天野奈々の髪を撫でた。「何が起こっても、僕はあなたのそばにいる」

「わかってる」天野奈々は安心させるように墨野宙に微笑んだ。3年前にスターキングから活動停止を宣告され、一夜にしてトップモデルから谷底に落ちた時に比べれば、この程度の挫折など何だというのだろう?

もっと辛い日々も乗り越えてきた。それに今は墨野宙が傍にいてくれる。

「スカイ・エンタメは今回大きくやらかしたな。枕営業した2人の女が出てこないってことは、本当にあったってことだろ。体を売るクズ女め!」

「天野奈々さん、私はまだ17歳で、モデルコンテストに出たいと思っていて、ずっとあなたを目標にしていました。でもまさかあなたがこんなことをするなんて。本当に恥知らずです。芸能界から出ていって、若者を害するのはやめてくれませんか?」

「ほら、前から言ってただろ。天野奈々は過去の人だって。今日までこんな地位にいられたのは、何か手段があったからに決まってる!」

「みんな、でたらめ言わないで。スカイ・エンターテインメントが暴露された契約書には、天野奈々さんの名前が出てきただけよ。私は彼女を信じてる。きっと私たちを悲しませるようなことはしていないはず」

「お前、天野奈々の腹の中の虫か? あいつは頭が良すぎるから、お前らをだましているんだよ。目を覚ませ、子供」

「脳みそのない信者は死ね…」

スカイ・エンターテインメントのスキャンダルが全面的に爆発した後、ネット上では非難と罵倒の嵐が吹き荒れた。一般の人々は怒りを爆発させ、言葉は厳しく悪意に満ちていた。一方で、熱狂的なファンたちは怒りを感じながらも声を上げることができず、天野奈々にさらなるネガティブな情報が集まることを恐れ、人と会えば軽く笑って、軽々しく争うことはしなかった。