第166章 40万人のフォロワーを失う

天野奈々が開いてみると、わずか30秒で……

  彼女と墨野宙が広告を撮影したとき、カメラの前での彼女の表情はこうだった……

  全幅の信頼、満ち溢れる愛情、まるで世界を忘れてしまったかのよう。でも、彼への眼差しには深い愛着が満ちていて……

  彼女自身も顔が赤くなるのを感じた!

  もちろん、動画の中で墨野宙はいつも後ろ姿だけだった。しかし、LMは彼らが最後に撮影したシーン、つまり二人が手を繋ぎ、天野奈々が墨野宙の肩に寄り添っている写真をエンディングに使用した。その美しさは人々を驚かせ、息をのませるほどだった。なぜなら……

  感情が……

  あまりにも心を動かすものだったから。

  LMはこの写真を直接LMのウェディングリングシリーズの宣伝画像として使用し、巨大なポスターや看板にして、同時に各大型ショッピングモールの目立つ場所に次々と登場させた。

  一時、安藤皓司の携帯電話は、様々な立場の人々からの電話でパンクしそうになった。天野奈々のスケジュールを問い合わせたり、その後ろ姿が一体どの男性モデルなのかを尋ねたり、二人を一緒に雑誌の表紙に登場させたいとか、ファッションショーに出てほしいとか……

  この時、安藤皓司は家にいて、LMが広告のメイキング映像を公開しただけで小さな騒動を引き起こすとは全く知らなかった。そのため、急いでパソコンを取り出して見てみた。

  あの日、リゾート村で撮影したときには既に一度見ていたが、画面を通して天野奈々と墨野宙のやりとりを見ると、彼はようやく理解できた。なぜこのたった30秒のメイキング映像が……そんなに多くの人の注目を集めたのか。

  なぜなら、この広告は人々の心の奥底にある感情を呼び起こし、見た後に満足感を与え、幸せを感じさせるから……

  これがLMが伝えたかった意味だ。結婚は……墓場ではない……

  ネット上ではさらに絶賛の声が上がった:「なんてこと、これが広告だとわかっていても、このステマ、私は喜んで受け入れちゃう……」

  「メイキング映像だけでもこんなに美しい。LM、早く本編を公開して。広告を見るのが好きになったのは初めてだよ。もう20回も30回も繰り返し見ちゃった。」