第280章 関係を公表して何が問題か?

森編集長はずっと天野奈々の件で一躍有名になりたいと思っていたので、ずっと我慢して待っていた。しかし、彼は全く予想していなかった。部下の従業員が、こんなにも我慢できずに、直接天野奈々が屋敷で盗撮された写真をネットにアップロードしてしまうとは。

隠れた事務所で、森編集長は地面に蹲っている従業員を見て、かみ砕いてしまいたいほどだった。「運が悪かったよ。どうしてお前みたいなクズに出会ってしまったんだ?言っておくが、お前が俺のいとこだってことがなければ、ここでお前の手を一本落とさせてやったところだ!」

相手は頭を抱えて、全身震えていた。今、海輝の人々が彼を探し回っているからだ。

「早く荷物をまとめろよ。海輝がお前を見つけるのにどれくらい時間がかかると思ってる?言っておくが、海輝に見つかったら、いいことなんてない。だから、お前は俺のそばから一歩も離れないほうがいいぞ。」

相手も一時の衝動だった。今になって厳しさを知り、足をふらつかせながら立ち上がって自分のオフィスに荷物をまとめに行った。そして森編集長も、この秘密基地を完全に放棄するつもりだった。

さもなければ、墨野宙に見つかったら、生きて帰れるだろうか?

山本修治は以前確かに華栄というスタジオの名前を聞いたことがなかった。数多くのメディアの中でも順位に入らないほどだった。しかし、墨野宙は重点的に注目するよう指示した。明らかに、墨野宙の心の中では、基本的にこの件が華栄スタジオの人々と関係があると判断していた。

もしそうだとすれば、こんなに小さな工房が、簡単に天野奈々と男性がキスしている写真を出せるということは、このスタジオが天野奈々を追跡撮影しているのは一日や二日のことではないということだ。

天野奈々と男性のキス写真が流出すると同時に、深水藍華もトラブルに巻き込まれた。

以前交渉していた国内トップクラスの下着ブランドIYが、東京で新製品発表会を開催し、深水藍華をトリとしてランウェイに招待した。