第310章 誰も天野奈々をいじめることはできない

「これについて、なぜ調べなかったの?」高宮美咲はJ-KINGに追及した。「まあ、大したことじゃないけど、海輝がそんなに多くのリソースと情報を握っているなんて、予想外だけど納得もできるわね」

「それも墨野宙が他の人と違うところよ。彼に忠実な人は、自分のプライバシーを握られても平気で、むしろ守られているような安心感を感じるの」

「でもあなたは、それを脅迫に使うだけ...そこが違いよ」言い終わると、高宮美咲は立ち上がり、去り際にJ-KINGに投げキスのポーズをとった。「権力奪取、成功を祈るわ。あまりひどい死に方にならないといいわね!」

「そうそう、ある人たちは、同じ権利と地位を与えられれば大きな仕事ができると思っているけど、最後には事実が証明するわ。人は自分の立場をわきまえるべきよ!」

J-KINGは冷たく自分の唇の端を撫でた。もうここまで来たのに、立場なんて関係ないだろう?

彼にはわかっていた。男は皆野性的で、権力を愛さない男などいないということを。

...

翌日、天野奈々は墨野宙と一緒に午前中ずっと寝ていた。本当は墨野宙にもう数日休んでもらいたかったが、『バカ弟子』に対する彼の興奮した反応を見て、彼女には止める理由が何もないことがわかった。

ただ、昨夜二人が寝た姿勢が、少し...天野奈々の男女関係の尺度を超えていたので、彼女が起きたときは頬が赤くなっていた。

しかも、某道具がある人の重要な部分を締め付けていて、きっと不快だったはず。天野奈々は考えた末、簡単に彼のために清めるしかなかった。

墨野宙は天野奈々が手を伸ばした瞬間に目を覚ましたが、もちろん天野奈々には気づかれないようにした。そうでなければ、この小さな愛妻はきっとまた恥ずかしがるだろうから...

天野奈々が彼に布団をかけ直すのを待って、墨野宙はようやく手を伸ばして天野奈々を抱きしめ、彼女の上に乗った。「墨野夫人、あなたは本当に賢明だね」

天野奈々は彼がわざとそうしていることを知っていた。恥ずかしさと怒りで顔を覆った。「もう少し寝てて。空港に行くまでまだ時間があるわ」そう言って、墨野宙を押しのけ、洗面所に逃げ込んだ。