第349章 天野奈々すごい!

天野奈々は胸を張って頭を高く上げ、オーディション会場を後にしたが、会場は騒然となった!

  誰も予想していなかった。演技で全員を魅了したのが、以前彼らが全員で反対していた天野奈々だったとは!

  さらに驚いたことに、天野奈々がこのような方法で自分を証明し、自分の演技力を示すとは。

  そうだ……今日彼女の登場を見た人は、みな感嘆せざるを得なかった。もし天野奈々にこれだけの演技力がないというのなら、あのデジタル俳優たちや、一つの表情しかできない俳優たちは一体何なのだろうか?

  天野奈々は演技力がないのではなく、逆に彼女の演技は流暢で自然、天性のものだった。

  これは審査員たちに少なからぬ衝撃を与えた。人を連名で排斥したのに、これではどう人に会えばいいのだろう?まだ人に会える顔があるのだろうか?

  オーディション会場を後にした天野奈々は、直接墨野宙の車に乗り込んだ。そのとき、やっと人々は気づいた。

  「今出て行った二人は、天野奈々と墨野宙じゃないか?」

  「まさか?なぜ彼らが『銃声』のオーディション会場に現れるんだ?」

  「ああ、たぶん私の見間違いだろう……」

  青いマイバッハが去っていき、残された人々は驚愕し途方に暮れた。残りのオーディション参加者はまだ100人以上いたが……天野奈々の演技を見た後、審査員たちは魔法にかかったかのように、天野奈々の演技が最も充実していると感じた。この演技力を持つ人は外見が合わず、この外見の人は全く演技力がなく、さっきの山田櫻子さえも、天野奈々と比べると弱く見えてしまった……

  「ねえ、聞いた?『銃声』のオーディション、天野奈々が行ったらしいよ!」

  「彼女が何しに行くんだ?ランウェイ?」

  「ほら、この動画を見てみな。そうすれば分かるよ。」

  外界で噂が広まり始め、天野奈々のオーディション動画も何者かによってネットに投稿された。あっという間に、天野奈々が『銃声』の制作チームに面目をつぶしに行ったというニュースが広まった。

  みんな天野奈々に演技なんてできるはずがないという態度で動画を開いたが、最後には「うわ、幽霊でも見たかのような」心境で携帯を閉じ、しばらく言葉を失った。

  「天野奈々がこんな方法で反論するなんて、本当にすごいな。敬服したよ……」