第446章 これは彼女が受けるべきもの

その外国人俳優はTakaという名前で、アメリカ人の男性だが、イギリスの貴族のように端正で紳士的な容姿をしていた。

しかし、彼がスクリーンで人気を博したのは、容姿だけでなく、最も重要なのは、彼が若くしてデビューし、変幻自在な演技力で知られ、豊富な演技経験を持ち、どんな役柄でも自在にこなせることだった。

伊藤保は今回、多大な努力を払って彼を招待することができた。もちろん、墨野宙が裏で後押ししてくれたおかげでもある。

天野奈々のために、彼はいつも最高のものを彼女の前に届けることができた。

白川秋人事件により、天野奈々の芸能界での評価は空前の高まりを見せた。これほどの試練を経ても、なお胸を張って歩める人は少ないからだ……

天野奈々は陥れられて警察の取り調べまで受けることになったが、事態が明らかになる前も後も、公衆の前で泣き言を言ったり同情を買おうとしたりすることはなかった。白川秋人の記者会見の後も、再び大衆の視線から姿を消し、撮影現場に戻って仕事を続けた。

「これからは天野奈々の作品は必ず見る。天野奈々に関することなら、無条件で彼女の味方をする」

「天野奈々を尊敬する。情に厚い人だ。今回の件は、本当に拍手を送るべきだ」

「これからは、誰も天野奈々の道を邪魔できないだろう。私は彼女の態度を評価する。人に害を与えなければ、自分も害を与えない」

「ああ、なんで天野奈々がこんなにカッコいいの?それに墨野おじいちゃん、記者会見で白川秋人を叱りつけたのがすごかった。まさに長老としての威厳があって、最高だった」

「海輝は相変わらずの海輝、墨野宙は相変わらずの墨野宙、今からは彼の目を信じよう!」

「私だけ気づいたのかな、天野奈々が洗濯や料理をあんなに上手にこなせるなんて、全然わがままじゃない」

……

「社長、現在ネット上では80パーセントのユーザーが奥様と会長を支持する意見を表明しています。奥様は今回、公衆の信頼度を更新したと言えます」陸野徹は調査資料を見て、思わず笑顔で墨野宙に結果を報告した。

俳優は嫌われるのは簡単だが、好感を得るのは難しい。しかし天野奈々は、この一件を通じて、公衆から極めて高い信頼を得ることができた。

「これは彼女が当然受けるべきものだ」墨野宙はこの結果について、すでに予想していたので、非常に落ち着いた口調で答えた。