「大したことじゃないわ。妊婦なら誰でも多少の負担はあるものよ」天野奈々は墨野宙の胸に寄りかかり、彼の匂いを深く吸い込んだ。「でも、あなたが気づいてくれて...嬉しいわ」
「お昼にまた足が攣るようなら、言ってくれ。マッサージしてあげるから、少しは楽になるはずだ」
「わかったわ、ダーリン」天野奈々は安心して目を閉じ、墨野宙の腕の中で深い眠りに落ちた。
愛する人が傍にいたからか、お昼には足が攣ることもなく、とても安らかに眠ることができた。
目が覚めると、墨野宙はまだ同じ姿勢のままだった。天野奈々は心配になり、彼の腕から体を起こし、自分の枕を彼の頭の下に置こうと体をひねった。しかし、体を屈めた瞬間、墨野宙は目を開け、愛情に満ちた表情で天野奈々を見つめた。「目が覚めたのか?」