第753章 白川結は本当に俗っぽい！

「私はもう子供じゃないわ。心配する必要なんてないでしょう？」天野奈々は思わず墨野宙の手の甲に手を重ねて笑いながら言った。「安心して、すべて完璧よ」

「こんなに長く押さえつけられてきたんだから...そろそろ私の番よ、輝かしい時代が」墨野宙はファンの口調を真似て言った。「明日のイベントは、そんなに重要じゃないけど、でも、これはあなたの産後初めての公の場だし、そして、証明することにもなる...」

白川結がただの愚かな存在だということを証明する最高の機会だ。

「わかってるわ！」天野奈々は頷いた。

「二日後に衣装合わせがあるけど、今、頭の中であなたが古装束を着ている姿ばかり浮かんでくる」墨野宙は鏡越しの天野奈々に向かって言った。「きっと完璧だろうね」

実は、天野奈々も頭の中で墨野宙の帝王としての姿を想像していた。きっと世界を驚かせることだろう。

墨野宙は姿見を通して天野奈々と視線を合わせた。夫婦二人の心は通じ合い、お互いの気持ちを自然と理解していた。しかし、墨野宙はそれを表に出さず、ただ天野奈々の背中にキスをして更衣室を出て行った。なぜなら、もし見続けていたら、更衣室で天野奈々と切なく甘美な愛の行為を演じてしまいそうで抑えられなくなることを恐れたからだ...

...

一方、白川結は天野奈々の広告を見た後、一晩中眠れなかった。そこで彼女は起き上がり、以前の芸能界の友人たちに電話をかけた。

「天野奈々が一度反撃を始めたら、敵に対して決して容赦はしないわ...」

「白川さん、どうして天野奈々を怒らせたの？彼女は軟派な相手じゃないわよ。刑務所に何人も送り込んでるわ」

「天野奈々の後ろには墨野宙がいるのよ。どうして彼女と争おうと思ったの？」

白川結は違う意見を聞きたかったのだが、誰もが天野奈々に対して避けるような態度を示し、天野奈々という名前を聞いただけで、それ以上会話を続ける気が全くなくなってしまうのだった。

「白川さん、『邪悪な妃』の役をしっかり掴んでおいた方がいいわ。これからは天野奈々と比べることはやめた方がいいわよ。彼女は見かけは弱そうに見えるだけなんだから！」

天野奈々に押しつぶされるという大きな記事が出る前は、なぜこの人たちは何も言わなかったのだろう？

天野奈々が一度逆転したとたん、みんな彼女を諫めるようになった！