第780話 小さくても、俺の人だ

「誰があなたたち一人で耐えることを許したの？」天野奈々は二人を見て心が痛んだ。「私たちの目の前で、家族が傷つくのを見ているような人間だと思っているの？」

清水星華は一方で、王者のように座っている墨野宙を見つめた。彼女は自分のことで墨野宙を神殿から引きずり下ろしたくなかった。

彼女はあの人でなしのせいで、墨野宙と天野奈々が非難されることを望まなかった。

天野奈々は清水星華の心中を察し、思わず墨野宙を見た。墨野宙は妻からの視線を受け取り、ようやく淡々と口を開いた。「心から謝罪するなら、相手に受け入れてもらわなければならない。今後このような愚かな行動をする前に、まず私の承認を得なさい。さもなければ、私が雇っている弁護士たちが無駄になってしまう。」

清水星華は黙ったままだった。