第911話 7年の刑期、1日も減刑なし

「冗談じゃない。私は心の実母よ。それに、彼女の父親には今、子育ての能力なんてないわ。私が娘を取り戻せないわけがないでしょう」

「あなたたち弁護士は、私を適当にごまかせると思わないで。どんなに口が上手くても、心が私の娘だという事実は変えられないわ」

「母親が自分の娘を取り戻すのは、当然の権利よ」

この言葉を聞いただけで、木下夫人が全く道理の通じない女性だとわかった。そこで弁護士は直接、内容証明を木下夫人に手渡した。「松田心を取り戻す前に、まずいくつかの問題を清算しましょう。第一に、あなたは夫と子供を捨て、離婚した際に松田心を全く養育せず、遺棄行為があります。まずはその法的責任を問われることになります」

「第二に、仮にあなたが本当に松田心の親権を求めるとしても、裁判所はあなたの経済状況を調査します。今のあなたの状況で、本当に法廷で争うつもりですか?」

「奥様、あなたの目的は私たちにもよくわかっています。しかし、はっきり申し上げますが、裁判になれば、松田心を取り戻せないどころか、遺棄罪で起訴されることになります。我が国の法律では、遺棄罪は最高で懲役7年です」

「よく考えてください……」

木下夫人は明らかに、弁護士の言葉に威圧されていた。結局のところ、遺棄と経済状況は、彼女の消せない汚点だった。

「心を取り戻せないとしても、心の母親として、今あれだけ稼いでいる娘が母親に孝行するのは、当然の義務でしょう?」

弁護士の目には、この女性は完全な厚かましい人間としか映らなかった。

だからこそ、松田お父さんがこのような女性に騙され、最後には見捨てられたのだろう。

「奥様、あなたは何か勘違いをしているようですね。今日は松田心の親権を争う裁判は避けられましたが、私たちはまだあなたを遺棄罪で告発できます。もし本当に『中に入りたい』というのなら、私は構いませんが」

「まだお金が欲しいと?」

弁護士は冷笑し、木下夫人の顔色が赤から白に変わるのを見つめた。

「あなたのような人でなしには母親の資格なんてない。それに、待っていなさい。すぐにあなたは、夫の子供たちに家から追い出されることになるでしょう」