浅川司は少し怖くなったものの、佐藤社長の言うような後悔はしていなかった。結果は予想できなかったが、自分の選択を最後まで貫き通すつもりだった。
すぐに、浅川司は荷物をまとめて撮影現場に入る準備をしていたが、その撮影現場は資金の問題で、無期限に撮影開始を延期することになった。
浅川司はそれを聞いて、何か様子がおかしいと感じ、監督に電話して理由を尋ねた。監督はため息をつき、ただ静かに言った。「誰かが大株主の機嫌を損ねたらしくて、投資が突然引き上げられてしまったんだ。浅川君、本当に申し訳ない!」
浅川司は青天の霹靂を受けたように、頭が真っ白になった。資本というものはこんなにも残酷で、他人の労力を完全に無視できるものなのかと。
これが佐藤社長の仕業だと気づき、浅川司は怒りを覚えたが、どうすることもできなかった。