第1028章 禍水東引

これはおそらく誰もが知りたい問題でしょうね？

中村さんもこのことを知っていたのに、彼らをかばっていたのでしょうか……？

「ちっ、私が得た最新情報によると、中村さんが彼らを通報したんだよ。知らなかった？警察が知ったのは誰かが通報したからで、私が得た情報では、通報者は中村さんだったんだ！それに、番組スタッフが記者に漏らしたところによると、中村さんも後になってこの件を知ったらしい……その時はもう彼らを管理できなかったんだって……」

「なんて悲しくがっかりすることなの！」

「そう考えると、確かにそうだね、論理的に筋が通った……」

これが天野奈々がホテルで彼らを通報した理由だった。彼女は中村さんの潔白を証明し、条件を整えようとしていたのだ。

こうなると、S.A.Jグループもスーパースターも、今や真野薇と冬島徹の二人の責任になり、中村さんは潔白であるだけでなく、最大の被害者ということになる！

誰もこれが事の顛末だと認めてはいないが、業界の内外で、みんながどんどん話を作り上げ、信憑性は非常に高くなっていた。

一方、冬島徹の兄と真野薇の芸能事務所は今、釈明に追われ、すぐに広報活動を始め、二人はほとんど知り合いでもなく、不倫関係などあり得ないと主張し、世間の人々に憶測を広めないよう呼びかけている。

冬島徹と真野薇については、現在警察署内にいて、調査を受けている状況だ。

「あの四人は全員、大学時代から互いにかばい合って、こういった見るに堪えない行為をしていたことを白状しました。それで、冬島さん、あなたはこの件について事前に知っていましたか？」警察官は冬島徹に尋問し、その眼差しは非常に鋭く複雑だった。「薬物更生施設に送られるだけですが、彼らはもう公人として活動することはできません。あなたと山田さんはこの会社の責任者として、この件について公衆に説明する責任があります。」

「このグループは中村まどかが一手に育て上げたもので、彼女もこのことを知っていました……」冬島徹は顔色一つ変えずに警察に言った。「これは彼女が育てたタレントです。私は彼女に訴訟を起こし、賠償を求めることはできませんか？」