「高橋家の皆さんが来てくれたのは、あなたのおかげよ!」
高木朝子の褒め言葉を聞いて、高橋姉帰は微笑みながら、目に得意げな色が浮かんだ。
彼女も高橋家の全員が来るとは思っていなかった。これは全て二兄が彼女に話したことだった。
家族が池村琴子と同じ考えで来ないと思っていたのに、皆が来てくれた。
これは何を意味するのか。高橋家の心の中で、自分が池村琴子より大切だということだ。
「琴子は来ないでしょうね?」高木朝子は突然そのことを思い出した。
「絶対来ないわ。山本正博とあなたの子供はもう5歳よ。彼女が来て何になるの?恥をかくだけじゃない」高橋姉帰は嘲笑うように言った。
高木朝子は唇を噛み、顔に少し後ろめたさが浮かんだ。
山本正博はこの子供を認めたが、彼女は認めていない。
山本家もそういう意向で、山本宝子は認めるが、山本宝子が彼女の子供だとは認めたくないようだった。少なくともこのパーティーでは、山本家は彼女を招待していなかった。彼女が自分で来たのだ。