第394章 命1つ、私には償える

「まさか、彼らもここにいるの?」

竹内雅子は一瞬驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻した。

鈴木羽が彼女の妊娠を知ったら、きっと一日も我慢できずに高橋進と離婚するだろう。

彼女がここにいるなら、会いに行こう。

鈴木羽にこの素晴らしいニュースを直接伝え、高橋家での自分の地位も固めておこう。

考えたらすぐ行動に移し、竹内雅子は引き返して、病室を一つずつ確認していった。

……

池村琴子の病室で、鈴木羽と鈴木正男は落ち着かない様子で話をしていた。

そのとき、池村琴子の閉じていた目がゆっくりと開いた。

鈴木羽が最初に気付き、すぐに彼女の手を握って心配そうに尋ねた。「大丈夫?どこか具合が悪いところある?医者を…」

池村琴子は彼女の手を軽く引っ張って「お母さん、大丈夫です」と言った。