第503章 やはり私がやろう

「お兄さんは何も言わなかったけど、ただパパのことを心配していただけよ」高橋姉帰は涙ながらに口を挟んだ。「パパは彼女と会った後に救急室に運ばれたの。お兄さんが疑うのも当然よ。だって、ずっと仲が悪かったから...」

「誰が仲が悪いって?」鈴木羽は彼女を叱りつけた。渡辺義広を一瞥し、顔に不快感を露わにした。「あなたの連れを連れて、早く出て行きなさい。ここにいる資格なんてないわ」

これが渡辺義広が初めて義母に会った時だった。まさか、こんなに気が強くて、言葉が辛辣な人だとは思わなかった。

渡辺義広の表情が微かに変わり、視線は落ち着き所を失って彷徨った。

鈴木羽の非難に対して、高橋姉帰はもう以前のように悲しみや辛さを感じなくなっていた。

鈴木羽は実の母親ではないのだから、期待しなければ失望もない。