「姉帰、私は助けたいけど……でも……」服部波奈子は無力に溜息をつきました。「これは入札会だから、たくさんの目が見ているわ。不正はできないし、それに父のキャリアにも良くないわ」
「でも……父に良い言葉を掛けることはできるわ」
これを聞いて、高橋姉帰は興奮して、急いで頷きました。「分かってます。二嫂が私を信じて、良い言葉を掛けてくれるだけでも、私への最大の助けです」
服部文棟はこの会議の司会者であるだけでなく、このプロジェクトの意思決定者でもありました。
誰を選ぶかは、服部文棟に大きな決定権がありました。
もし服部波奈子が更に話を出せば、義広の入札には大きな助けとなるでしょう。
「二嫂、将来私と義広が結婚したら、あなたは私たちの恩人です」高橋姉帰は感謝の表情を浮かべました。