101 卑劣無恥

その女は頬を赤らめながら東方浩の胸に寄り添い、優しく囁いた。「もう～安心して。あなたのことはよく分かってるわ。私はもうあなたのものよ。あなたの言うことなら何でも賛成するけど、私の男を他の女に触らせるなんて許さないわ！」

東方浩は焦った様子で必死に説明した。「ベイビー、心配しないで！僕たちが付き合ってから、あの下品な女には手も触れてないよ。気持ち悪くて下品だから嫌なんだ。この件が片付いたら、ずっとお前を大切にするから！」

そう言いながら、東方浩は溜息をついた。「実は結婚してから、レストランの所有権を確認して、それから離婚するつもりだったんだ。でも途中で邪魔者が入ってきた。あの女には有能な同級生がいて、東京の橋本様さえも簡単に説得できたらしい。金を払わなくていいなら、もうあの女をあやす必要はないと思ったのに、父さんがこんなことを…」

女は東方浩の眉間のしわを見つめながら、甘えた声で言った。「お兄さん、眉間にしわを寄せないで。あんな女のためにしわを作るなんてもったいないわ。安心して、地下組織なんて大したことないわ。橋本様なら私も知ってるの。早く言ってくれれば、私が電話一本で謝らせたのに」

「やっぱり僕のベイビーは凄いね。あの時は急いでて電話する余裕がなかったんだ。それにあの女もいたから、お前が気分を害するのが怖かったんだ」

「お兄さんは優しいわね～」女は胸の豊胎で東方浩の腕を激しく擦りながら言った。「じゃあ、このX5はいいわ。お兄さん、IXのトップグレードを買ってくれない？」

東方浩は既に夢心地で、すぐに頷いた。「いいよ、いいよ、何でも言うとおりさ！じゃあ、まず僕の別宅に行って、お腹いっぱいにしてあげるから。それからあの女のところに行って、明日帰ってきたら高級車を買ってあげるよ！」

女は嬉しさのあまり、すぐにその男に感謝した。「お兄さん安心して、後でしっかりご奉仕するわ」

談笑しながら、二人は4S店を後にした。加藤恋の怒りの視線に全く気付いていなかった。

小林雪に電話をかけたが、長い間話し中の音が鳴り続け、誰も出なかった。

加藤恋は考える時間もなく、急いで同じような車種を勧めてもらい、代金を支払って自宅の住所と福田嘉の連絡先を残して慌ただしく立ち去った。