123 式場での口論

夏川梅は携帯をちらりと見ただけで、何も言わなかった。

加藤恋は笑いながら言った。「何を言えばいいのかしら。このビデオが私たちの手にある限り、いつでも時限爆弾になるわ。彼が父親に知られたくないなら、大人しくしているしかないでしょうね!」

純粋な加藤恋がこんなことを考えつくとは思わなかった小林雪は、思わず笑ってしまった。

これで終わりだと思っていたが、ホテルで現場を監督していた小林雪から突然電話がかかってきた。斎藤玲香が加藤恋を結婚式の会場に招待したというのだ。

加藤恋が会場に到着した時には、すでに会場の装飾は完璧に整えられており、椅子に崩れ落ちるように座っている秋山心を見つけた。

「お義姉さん……一晩どこに行ってたんですか。私一人ここに残されて、時間に追われながら会場の装飾を終わらせたんですよ。もうこんな目に遭わせないでくださいよ。」