172 福田隼人を抑圧する

「誰に向かって話してるんだ！福田隼人、お前は図に乗りすぎだ。今日この扉から出られたら、俺がお前を殺してやる！」

福田元はこの言葉を聞いて激怒し、すぐにでも福田隼人を引き裂きたい衝動に駆られた。同じ福田家の孫なのに、なぜ皆は福田隼人だけを評価し、自分にはこんなにも酷い態度をとるのか！

「私には喧嘩するほどの事じゃないと思うわ。ただの動画でしょう？修復すれば済むことじゃない？」

秋山心の声がホールに響き渡った。今日は女装をしており、艶やかな雰囲気を醸し出していた。「こういう加工された動画は、修復すれば良いだけよ。福田の坊っちゃんがそんなに確信を持っているということは、もう鑑定済みなのでしょうね」

福田のお婆様は二人の孫が対立する様子を見て、心中では不満が募っていたものの、何も言えなかった。