177 動画の修復

その時、先頭に立っていたのは、あの日、加藤恋という一人の女の子が本当に彼らの隊長を助けられるのかと疑っていた副隊長でした。彼らが今回来たのは、加藤恋の命の恩を返すためでした。

林原院長が言うには、もし加藤恋が最初に彼らの隊長の止血をしていなければ、その手術は全くできなかったはずで、その時、彼らの隊長は悲惨な最期を迎えることになっていたでしょう。

しかし、彼らが到着するとすぐにこのような事態に遭遇し、現場は混乱を極めていました。

「静かに!何のために集まっているんだ!」副隊長の怒鳴り声が響き渡り、その場にいた全員が静まり返りました。

「もう分からなくなってきた。この福田家は一体どれだけの人脈があるんだ?」

「あの階級章を見てください。ただの人じゃないことは一目瞭然です。私、あの男性を見たことがある気がします。テレビに出ていませんでしたか?」

その場にいた人々は彼らの名前こそ知らなかったものの、階級章と威厳から並の人物ではないことは分かっていました。このような地位の人物に普通の人が会えるはずがありません。

遊川顕の出現だけでも十分驚くべきことなのに、今度は軍の人間まで現れるなんて。まさか、これも福田隼人を訪ねてきたのでしょうか!

全員の注目がこの二つのグループに集中している間、秋山心は小さなUSBメモリを取り出し、福田元のパソコンに差し込んで、そのビデオの修復を始めました。

その後の副隊長の言葉は、まさに全員を唖然とさせるものでした。

「加藤さん、何か困ったことがありましたか?私たちに手伝えることはありますか?今回来たのは主に...あなたが芸能界で活動されているので、二人ほど護衛をつけさせていただきたいと思いまして。」

副隊長の言葉は既に遠回しでしたが、林原英明は派手なことを好まないと言っていたので、感謝の言葉は全て胸の内にしまっておきました。

さらに前回の木村信彦の件もあり、確かに申し訳なく思っていたので、彼が考えられる最善の方法は加藤恋に護衛をつけることでした。

その一言で、その場にいた人々は驚愕するばかりでした。どういうことなのか?この副隊長が加藤恋に対して?彼女を守ると?

全員が呆然としていました。というよりも、現状にどう対応していいのか分からなかったのです。戦闘部の人間は世界中で名を轟かせており、国の威厳の象徴なのです。