241 黒幕はあるのか?

この言葉を聞いて、野木早香は明らかに固まった。その後、突然立ち上がって夏川晴海を睨みつけながら激しく言い放った。「何を言ってるの?あなたが私を探し出して、このビデオをネットに上げれば注目を集められるって言ったじゃない?それに加藤恋がいなくなれば、私たちのランキングが上がって、『望花』の女二号を推薦してくれるって言ったのも。」

夏川晴海はその言葉を聞いても、目には平然とした色が浮かび、さらには嘲笑と嫌悪さえ含まれていた。「私がいつ、加藤恋に対抗しろなんて言ったの?」

「あなた...」野木早香は信じられない表情で夏川晴海を見つめた。明らかに彼女が加藤恋に対抗するよう暗示したのに、今や番組スタッフからエイベックスまでが動画を投稿した人物を探しているのに、夏川晴海は今になって彼女を見捨てる!

「私たちの会話を暴露して、共倒れになってもいいのよ?」野木早香は恨めしげに言ったが、夏川晴海は顔に浮かぶ嫌悪と嘲笑を少しも隠そうとしなかった。「いいわよ、暴露してみなさい。他人の曲を盗作した人の言葉を誰が信じるか、見てみたいわ。」

そう言いながら、夏川晴海はUSBメモリを取り出し、野木早香の目の前で振ってみせた。

「どうやって手に入れたの!」野木早香は手を伸ばして奪おうとした。一台のカメラだけが撮影したはずで、マスターテープを高額で買ったのに、なぜ他の人が持っているの。

「だから私が条件を出してると思ったの?」夏川晴海は横のソファに座り込んだ。「番組スタッフがあなたを突き止めたら、何を言うべきで、何を言うべきでないか、わかってるでしょうね。」

「あの時、あなたが守ってくれるって言ったから、私は...」野木早香は何か言いたそうだったが、今は歯を食いしばるしかなかった。今の急務は自分をどう守るかを考えることだった。

夏川晴海は自分の携帯を手に取り、突然笑い出した。「運がいいわね。あのバカがまた問題を起こしたから。このチャンスを掴めば、本当に彼女を追い出せるかもしれないわ。」

...

すでに二回の競技が終わったため、須田山監督と番組スタッフは話し合い、これらの女の子たちに休暇を与え、合宿所にいる必要がないことにした。