「お母さん、福田家は経営不振で、もうお金なんてほとんどないんです。今倒産しそうなのは当然じゃないですか?」福田隼人は再び自分の意見を述べた。福田家がここまで持ちこたえられたのは、基盤が深かったからだ。
「あなた、何を言ってるの!私たち親も年なのよ。私たちのことも少しは考えてくれないの?」
福田隼人は真剣な眼差しで福田嘉を見つめた。「お母さん、同じ話を繰り返したくないんです。僕はずっとお父さんとお母さんのことを考えてきました。結婚前は給料のほとんどを渡していたし、今持っている会社の株式だってお母さんの名義になってます。」
「僕とお父さんが稼いだお金は全部お母さんに任せてきたし、一度も口出ししなかった。家のことはほとんどお母さんの言う通りにしてきた。だから今度は僕の決定も尊重してほしいんです。今は福田家の尻拭いなんてしたくない。自分で起業して、自分の福田ブランドを作りたいんです。それがそんなに難しいことですか?」