480 底力十分

前回、彼が秋山心をあのチンピラたちの前に置き去りにして以来、秋山心は福田のお婆様に会っていませんでした。この間、秋山心は彼に一切の面子も与えず、贈られた贈り物なども全て返却されました。

加藤恋もそうでした...あの別荘を公然と奪い取った時に、すでに加藤恋の実力を目の当たりにしていました。今日は人手も連れていないのに、もし本当に手を出せば、自分が十人いても加藤恋には敵わないでしょう。だから大人しくしているのが賢明でした。

そんな時、福田隼人は深く息を吸い、福田のお婆様を見つめて直接言いました:「申し訳ありませんが、今日の上場式にはあなた方をお招きしていません。福田のお婆様は入っていただいて構いませんが、他の方々はお帰りいただきたいと思います。」

「はっはっはっは!上場?」福田のお婆様は非常に軽蔑した様子で言いました:「隼人や、まさかお前のこんな小さな会社が上場するのに、本当にお客さんが来てくれると思っているのかい?」

傍らの福田鐵も思わず笑い出しました:「聞くところによると、セイソウリキにまで恥知らずにも招待状を送ったそうじゃないか?少しは頭を使って考えろよ。あの人たちが君たちと取引していたのは、我々福田家の面子があってこそだ。今は我々の庇護もないのに、セイソウリキがお前なんか相手にするわけがないだろう?」

「そうだね、次男の言う通りだよ。」福田のお婆様は話を引き継ぎ、諭すような表情で言いました:「早く考え直しなさい。家族は所詮家族なのよ。私たち福田家の基盤はまだ残っているし、お前は私の孫なのだから、私たちの間でこんな争いをする必要はないでしょう。意味がないわ!」

そう言いながらも、福田隼人と加藤恋は気づいていました。この連中の目は、加藤恋の二台の高級車から離れていないことに。

本来、福田隼人は加藤恋の車を使いたくなかったのですが、体裁を保つために承諾したのでした。

「ほら見なさい、こんな小さな会社は農場のように荒れ果てているのに、何を上場だなんて言っているの。お金もないし、リソースもない。さっさと福田家に戻りなさい。お婆様があなたを社長にしてあげる。あなたとお婆様、それに次男と甥っ子で一緒に福田家を復興させましょう。そうすれば、福田家の株式もたっぷり与えられるし、将来の福田家の舵取り役になれる可能性も十分にあるわ。どう思う?」