井野忠はすぐに興奮を抑えきれず、思わず口走った。「その人は誰なんですか?どこにいるんですか?早く教えてください!」
主治医は井野忠に揺さぶられてめまいがしそうになり、急いで体を安定させて口を開いた。「紹介することはできますが、ただし紹介料が……」
深井須澄は急いで小切手を取り出し、5万円と書いて主治医に渡しながら言った。「もしあなたが紹介してくれた人が本当に私を治せるなら、さらに15万円差し上げます!」
小切手を受け取った主治医は咳払いをして、やっと話し始めた。「東京に今、神醫がいらっしゃいます。先日、植物状態の患者を治療されて、奇跡と呼ばれています!その神醫は今、東京で診療所を開いています。もしお願いしに行けば、まだ希望があるかもしれません!」
この言葉を聞いて、深井須澄は突然喜びに満ちた表情を浮かべた。「その神醫というのは、小瀧武という方ではありませんか?」