534 石田海香の登場

このボディーガードたちは先ほどの連中とは全く異なる雰囲気を持ち、鋭い眼光を放っていた。福田隼人に打ち倒された数人を見て、先頭のボディーガードが直接口を開いた。「私たちは主催者側が雇った警備員だ。この業界にいる者なら、ライオン レオの名前を知っているはずだ。お前たちはそんなに人の犬になりたいなら、これからは二度と立ち上がれなくしてやる!」

そう言うと、彼は倒れている警備員の膝を容赦なく踏みつけた……

「ぎゃああ!」豚を屠るような悲鳴に、その場にいた人々が思わず身震いした。井野忠のボディーガードの一人は、粉々になった膝を抱えながら地面を転げ回っていた。「レオさん!申し訳ありません、全て私たちが悪かったです。どうか私たちを許してください!」

ライオンはその言葉を聞いても何の反応も示さず、ただ再び足を上げ、相手の左足も容赦しなかった!

残りの三人はその光景を見て、恐怖で体を震わせ、一言も発することができず、すぐに井野忠の方を振り向いて、彼の庇護を求めた。

井野忠は冷たい声でライオンたちを見つめた。「お前らは何者だ?他人が暴力を振るっているときは何もせず、今になって出てくるのか。」

「言っただろう、私たちは主催者側の人間だ。なぜお前の言うことを聞かなければならない?この連中が手を出すときはあんなに残忍だったのに、傷つくと誰よりも情けない。今日、簡単に見逃してやったら、また次に誰かを虐めるときも同じ顔をするだろう。今ここで使い物にならなくしてやった方が、世のため人のためだ!」

そう言うと、相手の哀願も無視して更に数発の蹴りを入れ、この世界にまた四人の車椅子生活者が増えることとなった。

その場にいた人々は皆、ライオンの残忍な手口に呆然としていた。加藤恋と福田隼人さえも唖然としていた。これは一体どういう状況なのか?彼らはこのライオンとそれほど関わりがあるわけでもないのに、なぜここまでしてくれるのだろう?

井野忠の後ろに立っていた福田桐子は完全に呆然としていた。彼女は夢にも思わなかった。井野忠の四人のボディーガードが一瞬のうちに全員が使い物にならなくなってしまうなんて……しかもこの中には全国格闘技チャンピオンもいたというのに。