548 後ろの罠

深井須澄はこの若者がこれほど激しいとは思わなかった。この手加減では本当に小瀧武を殺してしまう可能性があり、瞬時に焦って飛び出して止めに入った。「若いの!冷静になって!これは違法行為だぞ!」

石川直は深井須澄に驚かされた。夜遅くここで誰かに気付かれることはないと思っていたのに、突然数人が飛び出してくるとは思いもよらなかった。

「お、お前は先ほど患者を連れてきた奴か?なぜその老いぼれを助けようとするんだ?」石川直は憤慨して言った。

深井須澄は慌てて手を振りながら言った。「私は彼の生死なんて気にしていない。ただ、彼の神薬は全て身につけているはずだ。彼の薬はお前の目を治せるだけでなく、私の友人の病気も治せると信じている!もしここを壊してしまったら、私たちを治療する薬を見つけるのはもっと難しくなるじゃないか?」