第46章 心が痛む

バーの中は赤や緑の光が煌めき、ネオンが点滅していた。

中村楽は頭がクラクラするほど酔っており、歩く時も足元がふらついて立っていられなかった。

タクシーを拾おうとしたが、携帯を取り出すと、目の前に何台もの携帯が浮かび上がり、頭が痛くなって、そのまま柱に寄りかかって吐き始めた。

この吐き方は、胃まで出てきそうだった。

本当に気分が悪かった。

中村楽は吐き終わると、地面に座り込んで泣き始めた。

鈴木静海と別れた後、みんなが彼女を薄情な売女と罵り、みんなが彼女を攻撃し、唾を吐きかけた。

でも誰も知らない、彼女の心は刃物で切り刻まれたようだったことを。

でも誰も彼女の悲しみを信じてくれなかった。

そしてあの時、静海と別れたのは、全く彼女のせいではなかったのだ！

世間は彼女の静海への愛を否定し、彼女は単に静海に取り入って出世しようとして、それから彼を捨てたと思い込み、こんな人間は天罰を受けるべきだと！