「楽姉、どうしたの?何か発見があったの?」斉田あきひろが近づいてきた。
中村楽は口を開いた。「見て。」
斉田あきひろが見ると、中村楽のベージュ色のゴム手袋に、細かい白い粉のようなものが付着していた。まるで花の粉のようだった。
少し汚れが混ざっていて、斉田あきひろは近づいてようやくはっきりと見ることができた。
斉田あきひろは驚いて尋ねた。「楽姉、これは遺体のどこで見つかったんですか?」
「鼻腔です。」
中村楽は重々しく言った。
このような微細なものは、鼻腔内の異物と混ざっているため、見落としやすかった。
「あの髪の毛のDNA検査はもう出したの?」中村楽は白い粉を保管しながら、遺体を縫合する際に突然尋ねた。
「あ。」
斉田あきひろは一瞬固まり、顔が急に赤くなった。
警察署に戻ってから本当に忙しく、さらにその髪の毛は遺体のものだと思い込んでいたため、まだDNA検査を出していなかった。