第78章 大甥っ子の面倒を見てあげます

そして、画面には年老いているが慈愛に満ちた顔が映し出された。

老人は黒い唐装を着ていて、すでに六十歳だったが、まだ黒髪を保ち、顔にもそれほどしわがなく、とても元気そうに見えた。

これは安田家の大御爺さんだが、彼は安田家の分家の人で、化学界で非常に高い業績を上げており、久我月の師でもあった。

老人がずっと黙っているのを見て、久我月は牛乳を一口飲んで尋ねた。「おじいさん、どうして黙っているの?」

「ああ……」

安田大御爺さんは先ほど考え事をしていたが、久我月の声を聞いてようやく我に返り、日夜思い続けていた少女を見て、目が潤んだ。

彼は感動して久我月を見つめた。「月瑠や、やっと私の電話に出てくれたね。」

久我月は演技の上手な老人を見て、「……何かご用ですか?」

「いつ帝都に来るんだい?もう随分と私に会いに来てないじゃないか。」