池田滝から送られてきた最後の位置情報を受け取り、久我月は監視システムに侵入し、10分かけてその時間帯の監視映像を復元した。
「あれ……」
監視映像に映る二人の男性のうち、一人が見覚えのある顔だった。久我月は一瞬固まった。これは……中村少華じゃないの???
そして、中村静加が百里紅裳を後部座席に抱き入れ、中村少華が助手席に乗り込むのが見えた。
中村少華のところにいるなら……もう寝ていいでしょう!
横になってから、久我月は池田滝にメッセージを送るのを思い出した。
[瘾:彼女は大丈夫よ、寝なさい。]
まだ百里紅裳の行方を探していた池田滝は、久我月からのLINEを受け取り、困惑して瞬きをした。
大丈夫……なの?
中村少華のプライベート別荘。
この独立別荘は数年前に購入したもので、立地も良く、住環境も特に快適だった。