第108話 私の旦那様はイケメンすぎる！

栗本哲也は立ち上がろうともがいたが、膝を動かすと全身が痛みで痙攣した。こんな痛みは生まれて初めてだった。

横に数人の男が立っているのが目に入り、栗本哲也は青ざめた顔で叫んだ。「このクズどもよ、さっさとこいつらを懲らしめろ！」

「今夜、お前ら二人とも俺のモノにしてやる！」

痛みをこらえて地面から這い上がろうとしたが、あまりの痛みで立つこともできず、石畳に顔から倒れ込んだ。額は切れ、鼻血も流れ出した。

目の前がくらくらし、人の姿もぼやけて見えた。

その若い男たちは既に足が震えるほど怯えており、栗本哲也の言葉を聞いてさらに青ざめた。「栗本若様、い、い、いえ、できません！」

中村楽の冷たい視線を感じ、彼らは身動きもできず、どう逃げ出せばいいのかも分からなかった。

本家は中村楽を嫌っていたが、楽は当主と中村次男の若様の寵愛を受けており、この二人こそが中村家で発言力を持つ人物だった。