彼女は待つことができるが、栗本放治はあと半年持つだろうか?
「月瑠姉、今回は違うんです」
伽藍は急いだ口調で言った。「研究所からチップが3つ盗まれたんです。帝都の数家が関与していると聞きましたが、研究所には証拠がないため、直接国内と交渉できない状況です。ちょうど月瑠姉が2号試薬を必要としているとのことで、彼らの提案は、もしチップを取り戻せれば、それと試薬を交換するというものです」
「それに、月瑠姉が同意しなければ、日本に来て、天地を探しても見つけ出すと言っています」
国際研究所の16個のチップには、ニッケル鉱床を最大限に活用する方法が格納されていた。
デルタ地域で、研究者たちが巨大なニッケル鉱床を発見し、その埋蔵量は世界のニッケル埋蔵量の約70パーセントに相当する。
日本のニッケル生産量でさえ非常に乏しく、世界の生産量のわずか4パーセントに過ぎない。