久我月も漢方医学に詳しいと聞いて、特に鈴木敏の娘だということで、一橋しんていは一橋貴明が久我月を呼んで治療させることに同意した。
思いがけず、久我月はお婆様を治療することができたのに、最後には自分の孫娘の手によって台無しにされてしまった。
今回、長男家は一言も言えなかった。
一橋しんていが戻ってくるのを見て、みんな頭を下げて、口を閉ざした。
一橋しんていは長男家の人々を見て、一橋貴明に言った:「お婆様の体調が良くないし、今回も手術を受けたから、一橋嬌のことは、まだ言わないでおこう。」
「でも、一橋嬌には自分の過ちを知らせなければならない。」
一橋家は昔から賞罰がはっきりしていて、過ちを犯した者は、たとえ長男家の嫡出の令嬢でも、罰を受けなければならない。
一橋逸飛は本来口を開く勇気がなかったが、久我月のことを思うと、歯を食いしばって近づき、さりげなく言った:「おじさん、後でお婆様の手術が終わったら、私が久我月を送り届けましょう。あなたは長老なので、彼女を送るのは相応しくありません。」