第170章 師門の不幸よ

「私がおばあさまを害するはずがありません。久我月の戯言を信じないでください。本当に彼女がおばあさまをこんな状態にしたんです!」

一橋嬌は頑として認めようとしませんでした。一度認めれば、高橋様に破門されることは目に見えていたからです。「彼女は七兄さんの前で見栄を張りたかっただけで、どこかで覚えた鍼を打つだけで、おばあさまに鍼を打とうとしたんです。私はその時止めようとしましたが、彼女は聞く耳を持ちませんでした!」

「黙れ!」

高橋様はその言葉に怒りで震えながら、一橋嬌を睨みつけました。

彼の月瑠姉の医術は精緻を極め、鬼門十三針は神業のようでした。もし彼が年を取っていなければ、もし彼が漢方医学に才能がなかったら、きっと月瑠姉に鍼灸を教わろうと粘り強く頼み込んでいたことでしょう。そうすれば大村じじの自慢話を毎日聞かされることもなかったはずです。