第221話 通報

山中お母さんは彼女のその眼差しに怯えて震え、後ろに二歩下がりながらも、強がって久我月を睨みつけた。

久我月は薄く目を開き、邪悪な笑みを浮かべながらゆっくりと言った。「お嬢様は多忙を極めながら、あなたたちの息子の躾までしてあげて、時間と労力を無駄にしているのに。今度は皆さんが不法侵入に集団威力業務妨害、脅迫まで。どれも裁判所に持ち込めば、三年の実刑は免れませんよ」

「それだけじゃありません。精神的損害の賠償金も必要ですが、初めてということで特別に割引しましょう。一人四百万円でどうですか」

彼女は口座番号を告げ、整った眉目を上げながら「お金を払った人から順に出て行けます。でなければ...」

そう言いながら、久我月はテーブルに無造作に置いていた手で、リモコンを取った。

バキッという音。