どこの妖精さんが天界から降りてきたのかしら?
鈴木月瑠は周りを見回してから、頷いた。「うん。」
若者が強ければ国も強くなる。彼女は子供の勉強への意欲を潰すべきではなかった。
「ありがとうございます。」
小原淮は頭を下げて彼女に礼を言い、鈴木月瑠の向かいに座って、本を開いて読み始めた。
どれくらい時間が経ったのか分からないが、鈴木月瑠は酢豚の残りを片付けて、後で捨てるために脇に置き、また小さなケーキを一つ手に取って食べ始めた。
おそらく鈴木月瑠が食べ続けていたせいで、小原淮の注意を引いたのだろう。彼は思わず尋ねた。「わざわざここでケーキを食べに来たんですか?」
実は、彼がここに来たのは本当に本を読むためではなく、来た時に食事をしている鈴木月瑠に気付いたからだった。